アラン「幸福論」

アラン幸福論 5.憂鬱

昔のことだが、腎臓結石で苦しんでいる友人と話したことがある。彼はひどく落ち込んでいた。こういった種類の病気は人を悲しくするものだ。私がそのことを言うと、彼はそれに同意した。そこで私はこう結論づけた。 「こういう病気が人を悲しくさせる、きみは…

アラン幸福論 4.神経衰弱

Tetsugakudou Park_14 / ajari さて、アラン幸福論の訳も第四回まで進みました。 今回のテーマは「神経衰弱」です。前回の「哀しいマリー」とも通じる話です。 少し寒い天気が続きますが、もしかすると春にぴったりなテーマかもしれませんね。 過去のエント…

アラン幸福論 3.悲しいマリー (Marie triste.)

さて、アラン幸福論も第三回まで訳して参りました。 今回は内容も分かりやすく、フランス語も平易なので、学習にはうってつけかなあと。 フランス語を勉強されているかたは、ぜひ原文と対照させて読んでみてください(私が大分荒っぽく訳しているのがばれそ…

2.いらだち アラン「幸福論」より

人が喉を詰らせてしまったとき、体の中は大騒ぎになる。差し迫った危険がそこにあり、全身が警告を発しているような状態になる。筋肉はこわばり、激しい動悸がする。これはある種の痙攣である。さて、こういった状態にはどう対処すればいいのだろう?人はこ…

1.ブケファロス ~アラン「幸福論」より~

ブケファロス 小さい子供が泣いていて、慰めてみてもダメなとき、保育士は子供の性格についてすばらしいさまざまな仮定を立てる。いったい何がこの子供を喜ばせたり、不快にしたりするのだろうかと。もしかしたらこの子供の性格は、父親の遺伝なのかもしれな…

アラン「幸福論」を訳す

アランというフランスの哲学者がいて、「幸福論」という本を書いた。 結構有名な本なので、ご存知の方も多いだろう。 幸福論 (岩波文庫) 作者: アラン,Alain,神谷幹夫 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1998/01/16 メディア: 文庫 購入: 12人 クリック: 79…