雑記

孤独という状態は人間にとって必要か?

人間は思考する生き物である。絶滅を免れ生き残ってきた生物には、それなりに論理的に説明できる様々な理由があるはずである。たとえば、極度の熱に耐える外皮を持っていたとか、酸素のない環境でも繁殖できたとか、そういった、後代から見て納得のできる理…

ひとつだけ自慢できること

私は人に自慢できることがあまりないのだけれど、ひとつだけ、ちょっとしたことだけれど、ある。 それは、十五歳の誕生日からずっと日記をつけているということだ。 ほぼ、毎日。 いまの日記帳は、去年の二月一日から使い始めた。 これは一月末まで使って、…

記憶について

ついこの間、駅のベンチに座って新聞を読んでいると、「本郷くん?」という声がした。紙面から顔を上げてみると、マスクをした美しい女が微笑んで立っていた。 小学校の同級生のMだった。彼女とは大学時代に何度か駅で顔を合わせたが、それでも三年ぶりくら…

書くということについて 2 だれかに当たります

私たちはアナロジーにまみれて生きている。今日もあなたは誰かと話すときに何かのアナロジーを使ったかもしれない。アナロジーを使えば、銀座のホステスを口説くこととナショナルクライアントから仕事を取ってくることは同じことになるし、新聞記者の仕事は…

きょうはちゃんと書く。

小説を書く人、詩を、あるいは音楽を書く人でもいい。それに、漫画や絵を描く人でもいい。プロでも、アマチュアでも何でも良い。そういう人には、「きょうはちゃんと書こう」という日があるはずだ。朝起きた時にそう思うかもしれないし、帰りの電車の中でそ…

ポーランド脱出

台風11号のせいで陰惨な気分で盆休みを迎える方も多いのではないだろうか。私も明日の予定が中止になってしまった。特に西日本に住んでおられる方は、今週末の予定を変えざるを得ない状況に追い込まれているものと想像する。 NHKでJALやJRのキャンセルにつ…

人はなぜ自分の思考を疑うのか?

共時性(synchronicity)という言葉がある。ユングも真っ青になるほどざっくりした説明をすると、要するに、「偶然はただの偶然じゃないんだよ」ということである。何かしらの法則、意識の外側の力があるということらしい。 ごく手近な例をひとつ挙げてみる。…

マレーシア航空について

親ロ派武装勢力、国際調査団受け入れ マレーシア機墜落:朝日新聞デジタル 今年三月のMH370便の事故もショッキングだった。しかも未だに機体は見つかっていない。つまりMH370便に乗っていた方々の家族も宙ぶらりんの状態に置かれている。 そこに来て今回のMH…

血液型について

AB型である。私がである。大変なことである。オチがないと死んでしまう病に取り憑かれた大阪人に囲まれて育った私は、幼少の時からAB型というだけでオチに使われてきた。彼らはサッカー日本代表みたいにパス回しだけで90分を終えるということがない。絶対…

何かを発見するとき

一人で旅をしはじめたのはいつだったろうか。一人でどこかへ旅をすると、新しい何かを自分に付け加えられたような気持ちになれる瞬間がある。私たちはなぜ旅をすることで閃いたり、気づいたり、見つけたりした気になれるのだろうか? 生まれて初めて、一人で…

外国語を学ぶということについて

マレーシアで生まれて初めてトランジットを経験した時のことである。クアラルンプールの空港で、六時間後のフライトまで何もすることがなく、私はソファに深く身を沈めてただぼおっとしていた。右から左へ、色々な顔の人がゆく。色々な言葉が聞こえる。その…

外国で生活することについて

留学生のルーツをたとえば空海と最澄に求めることは無理のある議論だろうか。かつてこの国では留学生ではなく留学僧(るがくしょう)という存在があった。留学僧はおよそ二十年のスパンで中国に住み、そこで勉強して帰国してからは国の根本のところで教えを…

読むということについて

読むという行為は、おそらく書くこと以上に、日常的に行われていることなのだが、深く考え始めると不思議な行為であることが分かってくる。私たちは読みながら(あるいは書きながら、でもあるのだが)自分自身の中にある内なる存在、その声を聴いている。そ…

書くということについて

私は自分の音楽的才能に関しては多少の自信を持っている(それは過去の実績から来るものだ)が、文学的才能などというものは微塵も信頼していない(つまり実績が無いということだ)。いずれにせよ、何かをする時(楽器を演奏したり、小説を書いたり、あるい…

電子書籍と紙の本2

電子書籍、消える蔵書 企業撤退で読めなくなる例も データ、所有権なし:朝日新聞デジタル 先日、アマゾンでカート・ヴォネガットの作品をいくつか購入した。 タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫SF) 作者: カート・ヴォネガット・ジュニア,和田誠,浅倉久志 出版社…

アマゾンが示す未来

今朝の朝日新聞にこんな記事が載っていたので楽しく読んだ。 (ニューヨーク・タイムズから)無人機宅配の時代 30分で手に入れたい?:朝日新聞デジタル 残念ながら会員しか読めない仕組みになっている。 関連記事はこれだ。 アマゾンの無人機配達、本当に…

太宰治がもし現代に生まれていたら

意味の無い空想だとは思うけれども、『如是我聞』を読んでいるとそんなことを空想してしまった。 『如是我聞』(青空文庫) http://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/1084_15078.html これは、太宰の最晩年のエッセイである。 ちなみに私は太宰の作品は…

つまらない時代

つまらない時代に生まれたな、と思うことが時々ある。 仕事で朝早くに東京駅から新幹線に乗り、新大阪で降りた。そして地下鉄の御堂筋線のホームで電車を待っていた。 テレビでよく見る女性アイドルの、拡大された顔が目の前にある。しかもその顔は微笑んで…

サッカー観戦の肝

今日なんとなくテレビを付けたら、フランス代表とウクライナ代表の試合を放送していたので観てしまった。 私自身は文化系なのでスポーツをほとんどしない。時々ジョギングしたり泳いだり、友達とたまに軽いスポーツをすることはあるが、本格的にスポーツをや…

村上春樹の新作

村上春樹さん新作短編は「ドライブ・マイ・カー」:朝日新聞デジタル これ、まだ読んでいない。 正確に言うと半分くらいは読んだ。立ち読みで読んだ。 今から出かけるので本屋で買おうかなと思っている。しかし文藝春秋買うってのがいまいち気がすすまないと…

本に出会うこと

今日は西岡兄妹の「神の子供」という本を読んだ。 神の子供 作者: 西岡兄妹 出版社/メーカー: 太田出版 発売日: 2010/11/30 メディア: コミック クリック: 94回 この商品を含むブログ (3件) を見る あまりに素晴らしい本だったのでここで紹介している。 ちな…

そして秋はいなくなった

私がどこに住んでいるかはともかくとして、いよいよ朝が寒い季節がやってきた。 私は基本的に早起きなタチなのだが、この季節はやっぱり辛い。 じゃあ暑いのと寒いのどっちがいいか、と言われたら、まだ寒い方がマシではある。 しかし本当に、秋というのはど…