そして秋はいなくなった

私がどこに住んでいるかはともかくとして、いよいよ朝が寒い季節がやってきた。

私は基本的に早起きなタチなのだが、この季節はやっぱり辛い。

じゃあ暑いのと寒いのどっちがいいか、と言われたら、まだ寒い方がマシではある。

 

しかし本当に、秋というのはどこへ行ってしまったのだろう?

そう思う人が少なくないはずである。

私のあいまいな認識では

3~5月→春

6~8月→夏

9~11月→秋

12月~2月→冬

ということになっているのだが、9月はもう完全に夏と言っても良いと思う。

10月が辛うじて秋と呼べるかもしれないが、11月でもうこんなに寒いのだから、11月はもう冬と言ってよかろう。

 

しかし「秋」というのはどこまでもあいまいな概念である。

気温で定義されるわけでもないし、二十四節気はどう好意的にとらえても見当はずれだし、食欲の秋、なんてのはダイエットをしない言い訳程度にしか使われない。

じゃあ「秋」とはなんなのか?

このへんをはっきりしとかないと、「秋」は早晩いなくなってしまうだろう。

 

私の定義を話してみよう。(なにせチラシの裏だから)

秋というのは、あまり個性のない季節だと思う。

こう言ってしまうと秋に悪いのだが、私はそう思っているし、だからこそ四季の中で秋を一番愛している。

だって、芸術の秋とか、食欲の秋とか、読書の秋とか、スポーツの秋とか、誰かが言ってくれないとアイデンティティを確立できないのである。

女子のグループにもこういう子がいた。周りがつっついてくれないと個性を確立できないような女の子がね。

その点、春は明るくて主人公的なキャラだし、夏は突き抜けてて元気なキャラで、冬はクールで秀才キャラである。秋はそんな季節に囲まれている。

しかも、読書なのか、スポーツなのか、食欲なのかはっきりしない。これはキャラとしては致命的な弱点である。

それ故に、「暑い」とか「寒い」という、明確なワードで定義づけられる夏とか冬に比べて個性が薄れやすい。

春は日本では年度の変わり目なのでそれだけで十分存在感があるのでずるい。

こう考えると、秋がだんだんかわいそうになってくる。

だから私は、秋が一番好きで、春が一番嫌いなのである。

 

というわけで、私は「秋」というものをもっともっとアピールしてあげたいなと思うのである。何かとびきりの個性をみつけてあげたいのである。

そう考えると、「秋」が主題になったり、主人公になったりする物語はなかなか見どころがあるなあとか思ったりするのである。

たとえば、「あまちゃん」とかね。