ナビィの恋

白い巨塔の再放送をしていたので、欠かさず録画して全部観た。

いいドラマですね。2004年?のドラマだけど、もしかしたら最後に観たいいドラマかもしれない。それくらい、熱中して観られるドラマが減ったように思う。

しかし、時間が経ってから観るとどうも欠点もあるように思う。

ちょっと演出や演技が過剰である感じは否めない。演技は薄口なんだけど、作り物の感じがぷんぷんする。台詞のまわし方もちょっとやりすぎな感じがある。

でもそのくらいの厚化粧のほうが、このドラマには良いんだろうなぁ。原作がいい、脚本もいい、役者もいいんだから、いいドラマが出来ないほうがおかしい。

 

ところで、白い巨塔西田尚美が出ていて、そういえば西田尚美主演の映画を観たなぁと思っていろいろ思い出していた。「ナビィの恋」である。

 

 

ナビィの恋 [Blu-ray]

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私は昔この映画を観た事があるのだが、それがどこだったか思い出せない。

でも教室の中だったことは覚えている。でもそれが中学か高校か大学か、はたまた小学校か思い出せないのだ。

ともあれ、懐かしく観たのだが、大変おもしろかった。

 

一つ目には、映像の美しさが圧倒的だ。沖縄の空や海、そして花々。ありきたりのイメージだが、それをこんなにも綺麗に撮れるのだなぁと感心する。

次に、これはユーモラスな映画である。俳優、特にナビィの夫である恵達を演じる登川誠仁の演技がいい。沖縄語をたっぷり聴けるのもいい。のんびりした気持ちになれる。

そして何より、音楽がいい。

沖縄の音楽には特別なエネルギーを感じる。日本の伝統音楽と、少し似てるんだけどどこか違う、軽いんだけど影のようなものを感じる音階が染み渡る。

それに、アイルランドの伝統音楽をミックスさせたことはすばらしいアイデアだろう。アイルランドの音楽は日本人になじみやすいといわれる。音階が似ているのだ。一部の編曲は長生淳が担当している。しかも、長生淳が出演している。長生淳といえば、吹奏楽をやっている人なら聴いたことのある名前だろう。有名な作曲家であり、私はエンドロールに長生淳の名前を見たときびっくりした。

 

ストーリー自体は、取り立てて特別なものではない。

だが、古い沖縄の呪術的な雰囲気と、「島」をめぐる物語、沖縄の小島と、遠いアイルランドを結びつけたことで、この物語は不思議な御伽噺の風格と、現代的な日本の風景を切り取ることに成功している。

平良とみという女優は「ちゅらさん」のおばあ役で一躍有名になったが、これは「ちゅらさん」より前の映画である。一説ではこの映画が「ちゅらさん」のキャスティングに影響したと言われる。文句なしにすばらしい女優だと思う。

 

西田尚美目当てで観た映画だったが、予想以上に色々と感じることのある映画だった。

もちろん若い頃の西田尚美の醸し出す透明感も存分に楽しめる映画だ。

 

そんなわけで、音楽と映像を楽しみたい人にはおすすめの映画だ。