2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

フィクションにおける現実味の問題 サマセット・モーム『月と六ペンス』

いま振り返ってみると、大学生のときの時間というのは、人生がもし小説だとしたら、本文ではなく余白のようなものだと思っている。人生がもし交響曲だとしたら、一楽章のどこかに置かれた音符のない長いゲネラルパウゼのようなものだと思っている。 そんな大…

接着剤みたいな哲学者 アウグスティヌス

どうしてアウグスティヌスに興味を持ったのかよく憶えていないのだが、去年の秋くらいに梅田のジュンク堂で、ふと惹かれて買った。アウグスティヌスに関しては、名前を知っている程度で、たしかハンナ・アーレントの博士論文のタイトルが「アウグスティヌス…

現実逃避

シャワーを浴びている時はなぜだか反省してしまう。「あんなコトあんな風に言うんじゃなかったな」とか、「はー、昨日洗濯しておけばよかった」等々。たぶん、うつむいて湯を浴びるから自然と姿勢が反省をうながすのだと思う。そういう時、たまに、「俺の人…