2017-01-01から1年間の記事一覧

光るピアノ

今まであまりこういうことをブログで書いたことがないのだが、最近、ブログは個人的なアーカイヴとして結構優秀だな、と思うようになってきたので、非常に個人的な内容の記事だが書いてみる。 今朝見た夢の話だ。ずいぶん印象的だった。 私はその夢の中で、…

未来の楽しみを思い浮かべているとき

楽しいことを思い浮かべているあいだは、その人はやはり幸福であるといえるだろう。実際に、その時に何か楽しいことがなくても、思っているだけで幸せになれるものだ。しかしこの幸福についても、二つの種類があると思う。 ひとつは、過去の楽しかったことを…

サブスクリプション時代の音楽鑑賞について

サブスクリプション型の音楽配信サービスが開始されて数年になる。はじめ、私のようなどちらかといえばレトロな人間は、ただ傍観していた。あまり積極的にそのサービスを利用する気になれなかった。「音楽」が「聴き放題」というのが、どうしても納得がいか…

手紙を書いているとき

私は一応大学でコミュニケーションという、わかったかわからないようなものについて五年ほど(四年で終わらなかった、大学が好きすぎて)学んでいたので、人と人とのコミュニケーションについては多少の知見がある、と自分では思っている。 手紙という通信手…

独りで酒を飲んでいるとき

二十五歳を過ぎた頃から独りで酒を飲みに行くようになった。純粋にひとりだ。当然ナンパなどしないし、マスターとも喋らないし、隣席と仲良くなることもない。ただ、独りで酒を飲み、つまみを食べ、そしてここが重要なのだが、本を読む。 行儀が良くないこと…

時代を経てなお輝く評論 清沢洌評論集

清沢洌という人の名はジャーナリズムを専攻していた頃からもちろん知っていたが、どういう文章を書いていたのか、どういう思想の持ち主だったかということは、恥ずかしながらこれまで知らなかった。 「愛国心とは、すべての美と真をふくむものであろう」 こ…

艱難汝を玉にす?

たとえば今私は、一週間以上休みなく働いたりすることがある。ただでさえ土曜日出勤なのだが、ときどき日曜も休めないこともあるのだ。しかしそれを特に苦痛だとも感じてないし、「クソ、休みたかったのになあ」とも思わない。必要だから働く、という意識で…

銭湯に行ったとき

年に何回か銭湯に行くことがある。休みの日にふらりと行くこともあるし、山登りの帰りに行くこともあるし、友人と何となく行くこともある。そんなに頻繁に行く方ではない。でも私は、銭湯というものが好きである。時々行くくらいがちょうど良いのかもしれな…

寿司を食べているとき

何と言っても人間は美味しいものを食べているときがいちばん幸福で、満たされていると思う。しかし興味深いのは、「美味しいもの」の定義が人によってかなり違うということだ。これは、好きな音楽とか、好きな人の顔のタイプとかより、よほど根源的で、生物…

誰かに贈り物をするとき

べつに死ぬほどお金持ちで、お金が掃いて捨てるほどあるというわけではなく、むしろ月末になると財布の中身が心配になることの方が多いのだが、生意気にも、人に贈り物をしたりするのが好きである。 これは誰かに教えられたわけでも、誰かやたらと私に贈り物…

私的幸福論 はじめに

アランの「幸福論」という本がある。私は、自分が幸福とは反対側の絶望の只中にいると思っている時にこの本を手に取った。 そこに書かれていたのは、決して、幸福になるための方法だとか、心の持ちようだとか、そういった類の言葉ではなかった。 しかし、ア…

たまには短歌などいかが 五島諭著 緑の祠

滅多に詩というものを読まない。格言めいた言葉は好きな割に、これまで詩という領域にとくべつ関心を持ったことがない。二十数年生きてきて、恥ずかしいことではあるが、初めて買った詩集がこの「緑の祠」ということになる。 たまたま近所の大きな本屋に入っ…

島がミステリー 多島斗志之著「不思議島」

私はこのブログでいろいろな書籍を紹介してきたが、なぜそんなものを書くのかということを、一度、改めて考えてみたいと思う。新年でもあることだし。 私は比較的読書をする方だと思う。統計を取ったわけではないし、実際そういった統計は存在するのだろうが…