2014-01-01から1年間の記事一覧

人生のごった煮 サイダーハウス・ルール ジョン・アーヴィング

さて、ジョン・アーヴィングのサイダーハウス・ルールをご紹介しましょう。 アーヴィングというのは現代アメリカの小説家の中で最も重要な一人と言っても良いでしょう。彼自身はディケンズを尊敬すると言っていることからも分かるように、いわゆる現代的な小…

世界を滅ぼす言葉 伊藤計劃 「虐殺器官」と「ハーモニー」

最近立て続けに伊藤計劃さんの「虐殺器官」と「ハーモニー」を読みましたので、その感想など。 世界を滅ぼす言葉 「虐殺器官」 「虐殺器官」というタイトルからして、何やら血なまぐさい話かなあと思っていたのですが、多少は血なまぐさかったですが、「言葉…

西岡兄妹 自選作品集 地獄

以前、西岡兄妹の「神の子供」を紹介しました。あれは言ってみれば長編のひとつの作品でしたが、今回は短編集です。 この作品集「地獄」には、表題作の「地獄」を含む十二編が収録されています。 書き下ろしの一作品を除けば、どれも90年代に発表されたもの…

フランス語学習のためのウェブサイト5選

Studying / Skakerman 語学学習というのは、独力では難しいものがあります。 話せるようになるには、まず読める必要があり、読めるようになるには、正しい文法の知識が必要です。文法には原則と例外があり、これらを体得するには相当量の演習が必要です。も…

アラン幸福論 3.悲しいマリー (Marie triste.)

さて、アラン幸福論も第三回まで訳して参りました。 今回は内容も分かりやすく、フランス語も平易なので、学習にはうってつけかなあと。 フランス語を勉強されているかたは、ぜひ原文と対照させて読んでみてください(私が大分荒っぽく訳しているのがばれそ…

村上春樹新作 『木野』 を読む

というわけで、読んでみました。いち村上春樹ファンとしては新作が出たらすぐに読みたいところ。 その男はいつも同じ席に座った。カウンターのいちばん奥のスツールだ。 お、来ましたね、という感じ。スツールですよスツール。 私が初めて村上春樹を読んだの…

レター教室 三島由紀夫著

手紙を書く人が減れば減るほど、その行為はとくべつなものになっていくだろう。 三島がこの作品を書いた時代に比べて、今は手紙を書く人は少なくなってしまったに違いない。 私くらいの世代では、もはやメールさえ廃れている。仕事で電子メールを使うことは…

電子書籍と紙の本2

電子書籍、消える蔵書 企業撤退で読めなくなる例も データ、所有権なし:朝日新聞デジタル 先日、アマゾンでカート・ヴォネガットの作品をいくつか購入した。 タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫SF) 作者: カート・ヴォネガット・ジュニア,和田誠,浅倉久志 出版社…

イニシエーション・ラブ 乾くるみ著

イニシエーション・ラブ (文春文庫) 作者: 乾くるみ 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2007/04 メディア: 文庫 購入: 55人 クリック: 588回 この商品を含むブログ (402件) を見る この間知り合いの女の子と飲みに行った時に薦められた本。 私もたいがい酔…